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2006年11月30日 (木)

パートの正社員化は誰も幸せにならない

甲州街道のいちょう並木。

すっかり色づいてきました。

061130001

パートを正社員並に扱えという制度が厚生労働省の労働政策審議会で議論されている。

正社員への転換促進を推進する措置を義務化するというものまである。

このブログでも何度もお話ししているが、厚生労働省の雇用政策は正社員至上主義である。

パートや派遣社員は全て正社員予備軍であるとの発想がある。

しかし、子育て等の事情や多様な価値観により、労働に対する価値観も変わり、多様な勤務形態を望んでいる労働者は多い。

この多様な働き方を認めてこなかった結果、パートの地位の低下や偽装請負につながったのだと思う。

そもそも正社員とは何なのか。

法律的な定義は全くない。

それなのに、正社員への転換を推進することを講じることを企業に義務づけることは法律的な前提を欠いた制度である。

問題とすべきは、同位置価値労働同一賃金の原則である。

我が国の長年の雇用慣行から正社員には有形無形の責任があり、それによって賃金の格差があるのだという認識が常識であった。

判例に於いてもパートの賃金格差は正社員の8割までは許容されるという、有名な丸子警報機事件がある。

厚生労働省は、正社員至上主義という従前よりの政策を変えずに、この同一価値労働同一賃金の原則を政府主導により我が国に定着させようとしている。

しかし私は実務上、正社員至上主義の政策を厚生労働省は転換し、多様な労働観を認めた上で、多種多様な勤務形態に従事する労働者の権利の保護に努める。

その中で、同一価値労働同一賃金の原則を定着させるということであれば有効な政策であると考える。

短時間労働者の保護→正社員化の推進はあまりにも稚拙な発想である。

正社員化の先には、人件費の商品・役務への価格転嫁につながり、製造業に於いては空洞化を推進することになる。

正社員化は幸せなことではない。

厚生労働省も戦略性のもった雇用政策、労働者保護政策を推進してもらいたい。

その前に我々は、問題の本質を深く考えていかなければならない。

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