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2006年12月10日 (日)

労働政策審議会労働条件分科会の議論をみて考える経営者側のデメリット

昨日は八王子法人会総務広報委員会の忘年会

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忘年会シーズンで昨日はタクシーも代行も大忙し。。。

厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会が自律的労働時間制度と労働契約法のとりまとめを急いでいる。

年内に最終調整をして取りまとめたいようであるが、労働時間法制の大転換であるにもかかわらず、調整を急ぐ必要はないと私は考える。

刑事事件の判決が社会一般の価値観と乖離しているという理由で、あっという間に裁判員制度ができた。

裁判員制度を運営するには我々の負担はかなり大きい。

しかし、そんな議論は法律が出来てからいわれており、議論が多面的に検討されていたのか疑問が残る。

私の考えは、自律的労働時間制度は賛成であるが、解雇に関しての解決金は大反対である。

解雇に関しての解決金は、その解雇の妥当性により金額が変わってくる。

しかし、労働契約法制で解雇権濫用と判断された場合には解決金を払うことで職場復帰をさせないで良いという制度であるが、その制度で決められた解決金の水準が裁判前の和解金の額に影響してくる。

その水準を根拠に、解雇権濫用を主張してくる労働者が増えることが予想される。

労働者に責めがない解雇の場合にはやむを得ないが、労働者に帰責事由があり使用者側はその非違行為を書面をもって証明できない場合がある。

この様な場合に労働者側から解雇無効と主張されると使用者は弱い立場となる。

その際に、労働者の要求として労働契約法制に定めた金額を解決金として要求して来るであろう。

この議論では、その点が欠けており使用者側にもリスクがあるものなのである。

また自律的労働時間制度についても、年収要件、業務権限要件、健康配慮義務の強化等があり、現行の曖昧である管理監督者の要件が若干拡大されて明確されるに過ぎないと考えられる。

一方で、現行の管理監督者については法改正とともに、労働時間規制除外が新たに拡大適用される労働者と同様の制約が付加されることも考えられる。

その制度とともに、自律的労働時間制度が適用されない労働者の割増賃金率の引き上げも検討されており、分科会の内容では、年収1,000万円未満の労働者は割増賃金率の引き上げだけが付加され、自律的労働時間制度の適用はなされないという事態になる。

中小企業に於いて年収1,000万円以上の労働者が非常に限られていることを考えると、この一連の労働法制の改正議論はあまり使用者側にメリットがない。

むしろ、中小企業の経営にはデメリットの影響のみがあると考えることが妥当であろう。

多面的に法改正の議論を検討していかないと、誰もやりたがらない裁判員制度のようになってしまう。

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今回(12月15日発行)は「雇い止め法理の検討」
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