« 子安東4丁目山車お披露目 | トップページ | 自分の言葉で話すこと »

2007年7月 9日 (月)

言語化できない楽しさ

クライアントで見かけた亀。

070706008

何だか御利益ありそうなんで触ってしまいました!

慶應大学環境情報学部特別招聘教授佐藤雅彦氏の自らの出版物のあとがきを読んだ。

氏は、NECの「バザールでござーる」や「ドンタコス」等のCMを手掛けた方である。

私は、理屈で感情を抑え込むことが理性であると考えている。

言語化されているもので感情や欲求を抑えることであり、それは法律に定められた刑罰の認識を通じての犯罪抑制にも通じる事である。

しかし、理性ばかりが強調されると非常に窮屈な世界になり、理屈からの開放が友人や家族といった人間関係や趣味といった活動を通じて行われるからこそ心身共に健康になれるのであると考える。

氏は、「想像の自由さ」に対して「現実の不自由さ」を述べられている。

そして、言語化できない感情や表現を「あたかもそれに対しての理解が済んでいるかのような振る舞い」は、「誰もが持っている『言語化されていない面白さを素直に感じる能力』を自ら放棄することになり、世の中の文脈に依存した生き方に繋がってしまうとかんじるから」と述べられている。

なるほどと思ってしまった。

言葉に出来ない面白さを伝える難しさは身にしみて分かるし、そのもどかしさも分かる。

大切なことは、「表現できない楽しさ」「言語化できない楽しさ」を味わうことであり、成長するにつれてこの楽しさを、あたかも理解しているかの如く言語化してしまう故にストレスも溜まっていくのかなと。

岡本太郎画伯が、子供の感性は鋭く、大人になるにつれ物事が分かってくるとその感性が鈍ってくると言われていたことに通じる。

あるテレビ番組で、幼児がお父さんの絵を描いていた。

そのお父さんは、髭をしっかりと剃った方なのに、子供の絵は髭が生えている別人のような絵だった。

その子曰く「パパは髭が生えている」。

土日はその方髭を剃らないようで、土日しか子供と接していないから、こどもは髭を感じ、視覚では解らない表現を絵にしたのであるという番組だった。

大人の感覚では、この様な絵は描けない。

言語化できないストレスを感じるとイライラするが、言語化できない楽しさを感じるとウキウキする。

それを言語化しようとすることで、悶々とした感情を解決しようとしている。

大学時代の記号論の授業で、広告の表面的なキーワードや写真や絵の裏側に隠されている企業側の訴えたいこと分析し、言語化していくという作業を経験した。

その時には、言語化していく過程が楽しかったが、やはり理解したふりができたから面白かったのかもしれない。

記号論的マーケティングも面白かったが、全てを言語化するという前提に立っていた。

そもそも言語化できないものが世の中たくさんある、言い換えると理解できている様な振る舞いはしないと思ったときとても人生は豊かになるのかなと考える。

また氏は、「『想像の自由さ』が本当に素晴らしさを発揮するのは、思い通りにならない現実からの逃避先が示されている時ではなく、『現実の不自由さ』を打破するパラダイムがその中に示されたとき」であると述べられ、氏が監修されているNHKの教育番組「ピタゴラスイッチ」の中に出てくる、ビー玉が転がってゴールに行く「ピタゴラ装置」の苦労話の中で具体的に示されている。

頭の中に、ビー玉が数々の困難を乗り切りゴールにたどり着き番組名の入った旗を揚げるという装置の想像をする。

頭の中でビー玉は、勢いよく数々の困難を乗り越えて転がっていくが、実際にそれを装置としてつくるとなかなか上手くいかない。

試作やスタジオで出来ても、撮影のライトの影響で微妙に狂い、失敗の数が多くなる。

テイク30、テイク70にになったときに現場の様子を語られているが、頭の中のものを現実化する困難さを実体験から述べられている。

しかし「たとえテイク100を超えようと、成功に向かっていこうという気が起きるのです」と述べられている。

「想像の自由さ」を逃避として捉えるのではなく、それを現実のものとさせる為にどの様にするか枠組みを考えて達成できたときこそ「想像の自由さ」の本当の素晴らしさが達成できるのだと。

そして、「ピタゴラスイッチ」という番組は「『奇なる跡』ではなく、『考えた跡』」として視聴者は観て欲しいと言われている。

プロとして一つ一つの言葉に重みがあり、私の心にスパッと入ってくる文書であった。

以下の後書きを読んでこの文書を書きました。
http://store.yahoo.co.jp/e-sekaiya/newitem266.html

ピタゴラ装置DVDブック1 監修:佐藤雅彦、内野真澄 小学館
ピタゴラ装置DVDブック2 監修:佐藤雅彦、内野真澄 小学館

山本経営労務事務所
http://www.yamamoto-roumu.co.jp

|

« 子安東4丁目山車お披露目 | トップページ | 自分の言葉で話すこと »

コメント

はじめまして。、

ブログをリンクさせて頂いても良いでしょうか。
どうぞご検討の程よろしくお願い申し上げます。

投稿: 花世 崇(はなよ こう) | 2007年7月12日 (木) 01時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/34785/7087163

この記事へのトラックバック一覧です: 言語化できない楽しさ:

« 子安東4丁目山車お披露目 | トップページ | 自分の言葉で話すこと »